日本流体力学会誌「ながれ」
Online ISSN : 2185-4912
Print ISSN : 0286-3154
ISSN-L : 0286-3154
軸対称拡大管内における非ニュートン流体の定常剥離流れ
中村 雅英浮田 哲嗣
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 11 巻 4 号 p. 245-253

詳細
抄録

軸対称拡大管を通る非ニュートン流体 (キャッソン流体) の定常層流流れを有限要素法により解析した.この解析は非ニュートン流体を輸送する管路を設計する場合や, 静脈のようなコラプシブルチューブの静特性を解析するときの基礎資料として重要な意義をもつ.解析の際レイノルズ数の範囲はヒトの静脈内流れ程度とした.数値解析結果を要約すると以下のようになる.1) キャッソン流体でも流体の非ニュートン性は流れの剥離を抑制する効果をもつ.そしてこの効果は拡大角が小さいとき特に顕著である.2) キャッソン流体の非ニュートン性は見掛けの粘性係数を増加させるため拡大部における圧力損失を増加させるが, レイノルズ数が増加すると剥離抑制効果が顕著となりキャッソン流体の非ニュートン性は拡大部における圧力回復の効率を上昇させる.

著者関連情報
© 社団法人日本流体力学会誌
前の記事 次の記事
feedback
Top