抄録
空間的に発展する圧縮性円形ジェットを解析するために, 軸対称及び3次元Navier-Stokes方程式を高次精度で計算するコードを開発し, このコードを亜音速及び超音速ジェット (中心軸マッハ数M=0.5及び1.5) に適用した.数値解析の結果, 亜音速ジェットの場合, 軸対称的な渦輪の巻き上がり及び渦輪同士の合体の後, x=4D (D : ジェットの直径) 付近から発生する軸方向の渦度成分 (rib) により渦構造の3次元化が始まる.それに対して, 超音速ジェットの場合, x=5D付近での強い軸方向の渦度成分により渦輪の完全な合体が起きず, そのまま渦構造が3次元化する.いずれの場合も, x=6Dよりも下流においては, 軸方向に長い渦構造を持つことが分かった.また, 亜音速ジェットの方がより上流側で剪断層に揺らぎを生じ, また, 剪断層の成長も超音速ジェットと比べて大きいことが分かった.