抄録
浮力が勇断乱流にどのような影響をおよぼすかについて研究した.とくに主流と乱れの構造の変化に着目した.そのために風洞中に速度成層と同時に温度成層を形成した.極端に安定, 不安定な温度成層が形成でき, 勾配リチャードソン数にて±1前後になる.
平均速度の勾配は流れが安定か不安定かに応じて, 減少もしくは増加する.それに対応して乱れの強さは安定度が増加するに従い減少し, 不安定になるに従い増大する.熱流束の測定値は, 安定, 不安定に応じて異なる.適当な規格化を行う事により, エネルギースペクトルやコスペクトルは低波数領域では安定度に応じて変化するが, 高波数域では一本の曲線に一致する事が示される.この結果は大気境界層の実地観測とよく一致する.