2011 年 100 巻 2 号 p. 441-445
最近,腎動脈を介するカテーテルによって腎交感神経系を焼却除神経する治療法が開発され,治療抵抗性高血圧を対象とする臨床治験において1年後も血圧が著明に低下し続けることが報告された.今後,カテーテル治療の臨床応用と共に腎交感神経系の役割が更に明らかにされ,その臨床応用が軽症の本態性高血圧症にも適応拡大されれば,高血圧も非薬物療法によって根治可能な時代が到来すると期待される.安全性が確認されれば,心不全や腎不全に対する臓器保護効果にも期待が膨らむ.