日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
最新号
選択された号の論文の21件中1~21を表示しています
内科学会NEWS
目次
特集 健康日本21と慢性閉塞性肺疾患:診療の現状と展望
Editorial
トピックス
MCQ
シリーズ:診療ガイドラインat a glance
今月の症例
  • 塩沢 昌大, 寺嶋 高史, 戸出 健斗, 清水 瞭, 足尾 慶次, 田中 翔一郎, 横井 順平, 野嵜 智也, 遠藤 信英, 玉井 宏史
    2024 年 113 巻 6 号 p. 972-979
    発行日: 2024/06/10
    公開日: 2025/06/10
    ジャーナル フリー

    35歳,女性.COVID-19発症後に血尿と紫斑が出現した.溶血性貧血を伴う著明な血小板減少から後天性血栓性血小板減少性紫斑病(aTTP)を疑い血漿交換とステロイド療法を開始した.ADAMTS13活性低下とADAMTS13インヒビター陽性からaTTPと診断したが,難治性であり寛解に至るまでにリツキシマブの投与と25回の血漿交換を必要とした.COVID-19発症後の血小板減少症ではaTTPも考慮し,疑われる際は迅速に血漿交換を開始し適切な免疫抑制療法を行うことが重要である.

  • 石川 楓, 白井 慎一, 上床 尚, 岩田 育子, 松島 理明, 松川 敏大, 山口 秀, 矢口 裕章, 外丸 詩野, 矢部 一郎
    2024 年 113 巻 6 号 p. 980-987
    発行日: 2024/06/10
    公開日: 2025/06/10
    ジャーナル フリー

    40歳代,女性.生体腎移植30年後に意識障害,運動性失語が出現した.頭部MRIで両側前頭葉,頭頂葉に多発する腫瘤性病変を認め,右頭頂葉より生検を施行した.病理所見ではCD20陽性細胞を認め,中枢神経原発移植後リンパ増殖性疾患(PCNS-PTLD)と診断した.移植後免疫抑制状態の患者における神経症状出現時は長期に亘り,移植後リンパ増殖性疾患を考慮する必要がある.

  • 牧野 有花, 粒来 崇博, 駒瀬 裕子, 松島 彩, 上野 純子, 村岡 弘海, 森本 耕三, 土方 美奈子, 慶長 直人, 井上 健男
    2024 年 113 巻 6 号 p. 988-995
    発行日: 2024/06/10
    公開日: 2025/06/10
    ジャーナル フリー

    症例は26歳男性.姉が原発性線毛機能不全症(primary ciliary dyskinesia:PCD)により23歳で死亡.幼少期から胸部異常陰影,痰が多いことを自覚も精査していなかった.X年10月に息切れ,嗅覚異常を主訴に受診した.慢性副鼻腔炎,閉塞性呼吸障害,気管支拡張,内臓逆位を認めた.PCDの疑いで複十字病院へ紹介した.鼻腔NO産生量の低値,鼻粘膜細胞の電子顕微鏡検査で線毛構造異常,CCDC40の遺伝子異常を認め,典型的な三徴を伴うPCDとしてカルタゲナー症候群と診断した.

医学と医療の最前線
  • 森本 悟, 髙橋 愼一, 岡野 栄之
    2024 年 113 巻 6 号 p. 996-1002
    発行日: 2024/06/10
    公開日: 2025/06/10
    ジャーナル フリー

    筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)は致死的な神経難病の一つで,十分な治療法が無く,病因解明と治療薬開発が切望されている.近年,患者の遺伝学的背景を保持するヒトiPS細胞モデルを用いた新たな創薬スタイル(iPS細胞創薬)が世界的に黎明期を迎えている.iPS細胞創薬とドラッグリポジショニングを用いたALS治療薬候補の開発が進んでおり,患者運動ニューロンモデルおよび多角的な薬剤効果評価指標を用いた既存薬スクリーニングによって,ロピニロール塩酸塩が見出された.さらに,ALS患者に対するロピニロール塩酸塩を用いた治験(ROPALS試験)により,安全性と忍容性が確認され,病態進展を抑制する効果も示唆された(iPS細胞創薬の臨床PoC).また,被験者iPS細胞を用いた検討から,細胞内コレステロール生合成経路の抑制が作用機序の一つであると同定された.今後,iPS細胞創薬を活用した薬剤開発が進むことが期待される.

  • 三島 英換
    2024 年 113 巻 6 号 p. 1003-1010
    発行日: 2024/06/10
    公開日: 2025/06/10
    ジャーナル フリー

    細胞死は,事故的な細胞死と制御性細胞死に大別される.中でも,フェロトーシスはその概念が2012年に提唱された,鉄介在性の過剰な脂質酸化を特徴とする制御性細胞死の一種である.近年の研究の進展により,フェロトーシスを制御する細胞内プロセスが同定されつつあり,病気の観点においては急性臓器障害や神経変性疾患,がんの進展抑制などの病態におけるフェロトーシスの関与が注目されている.腎臓の病態においては,フェロトーシスは特に虚血再灌流障害の病態への関与が広く調べられているとともに,その他の腎臓病への関与も報告が相次いでいる.したがって,フェロトーシスを標的とした治療介入がこれらの病気の新たな治療戦略になることが期待されている.

専門医部会
シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
医療事故の再発防止に向けた提言より
内科学会からのお知らせ
feedback
Top