抄録
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)が提唱されたことにより,各地域でのCKDの疫学研究が報告されてきている.この際,尿蛋白を試験紙法あるいは微量アルブミン尿で評価するか,また血清クレアチニンの測定方法やeGFRの計算式により,CKDの頻度が異なってくる.またeGFRは人種により実測GFRと差が大きく出る場合があり,人種に合わせた推算式も必要になる.CKDの疫学を比較するには,CKDの評価方法を確認し,対象集団の年齢分布,人種差などの背景因子にも注目する必要がある.