日本内科学会雑誌
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今月の症例
劇症型A群β溶連菌感染症を呈した肺炎の1例
細尾 咲子森 伸晃松浦 友一森 直己山田 恵里奈平山 美和藤本 和志小山田 吉孝
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2015 年 104 巻 12 号 p. 2556-2562

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抄録

40歳,女性.実子に続く感冒様症状を主訴に来院し,急性呼吸不全と血圧低下を伴う重症肺炎の診断で入院となった.血液培養および喀痰培養からA群溶血性レンサ球菌(group A streptococci:GAS)が分離され,劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome:STSS)と診断した.Benzyl penicillin G(PCG)とclindamycin(CLDM)による治療を開始後,薬剤性肺障害などの有害事象が生じたため,ceftriaxone(CTRX)とlevofloxacin(LVFX)に変更し,計24日間の抗菌療法により軽快した.経過中,急性腎不全を合併し,計6回の血液透析を必要とした.GASによる市中肺炎は頻度が低く,時にSTSSを合併し致死率が高い.健常人におけるSTSSの発症機序は明らかでなく,解明が待たれる.

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© 2015 一般社団法人 日本内科学会
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