日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
今月の症例
血球貪食症候群を呈し急激な転帰をたどった重症熱性血小板減少症候群の1例
荒木 慧原田 和歌子部村 公香朝山 直樹青山 大輝永井 道明行武 正伸小田 登加藤 雅也
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 105 巻 11 号 p. 2230-2236

詳細
抄録

78歳,女性.意識障害を主訴として搬送され,血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome:HPS)を呈し,急激な経過で全身状態の悪化,死亡に至った.マダニによる刺し口は認められなかったが,SFTSV(severe fever with thrombocytopenia syndrome virus)が検出され,重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)と診断した.本疾患はSFTSVによるダニ媒介性感染症で,2011年,中国で新たに発見され,日本国内では2013年以降,西日本を中心に症例報告がある.ウイルス関連血球貪食症候群(virus-associated hemophagocytic syndrome:VAHS)の原因の1つとしてSFTSを鑑別する必要がある.

著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top