2017 年 106 巻 11 号 p. 2385-2390
中性脂肪蓄積心筋血管症(triglyceride deposit cardiomyovasculopathy:TGCV)は,我々が2008年に心臓移植待機症例より見出した新規疾患概念である.細胞内代謝異常の結果,心筋細胞及び血管平滑筋細胞に中性脂肪(triglyceride:TG)が蓄積する.TGCVは既存の内科的・外科的治療に抵抗性を示す心不全,冠動脈疾患・不整脈症例に少なからず存在する.TGCV研究班の使命は「1日でも早くこの難病を克服する」ことであり,治療法の実用化を加速するため,症例登録・情報提供等をお願いしたい.