2017 年 106 巻 5 号 p. 947-953
近年,onconephrologyという概念が提唱され,腫瘍と腎臓の関係性が再注目されている.骨髄腫などのM蛋白に関連した腎障害は有効な治療戦略が乏しく,予後も不良であった.しかし,新規骨髄腫薬の登場により骨髄腫の予後は改善してきている.同薬剤は低悪性度のM蛋白産生腫瘍に関連した腎疾患(MGRS(monoclonal gammopathy of renal significance))に対しても有効である可能性が見出されており,今回,これらの最新の治療戦略と今後の展望についてまとめる.