2019 年 108 巻 11 号 p. 2327-2332
38歳,女性.卵巣囊腫の手術目的に入院した際,術前検査で左気胸を指摘された.家族歴に気胸があることや,胸部CT(computed tomography)で左気胸及び多発肺囊胞を認めたことより,BHD(Birt-Hogg-Dubé)症候群が疑われた.遺伝学的検査を施行したところ,FLCN遺伝子のエクソン11にcytosineの1塩基挿入が認められた.以上より,BHD症候群と確定診断できた.本症例では,皮膚所見及び腹部CTで異常は認められなかった.