2019 年 108 巻 12 号 p. 2427-2434
内科医師の多くは,何らかの形で疾病急性期の診療に関わり,また,関わってきた.それは,内科学のなかで各種疾病の急性期として認識されてきたからである.しかし,現代の医療と医学では,救急医学がそこに専門性を持つようになった.救急医学が全ての救急患者を網羅的に診療できるわけではなく,内科医師は疾病救急に今後も関わっていく必要がある.日本内科学会は,疾病救急についての関わりを従来から行っているものの,これがいわゆる臓器別サブスぺシャルティとは別の構造であるがために,広く認知されているとは言い難い.そこで,本稿では,日本内科学会や内科学における救急医療に関する位置付けと取り組みとを記述する.