日本内科学会雑誌
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VI.成人古典的Hodgkinリンパ腫の病態・診断・治療
楠本 茂
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2021 年 110 巻 7 号 p. 1426-1433

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抄録

成人の古典的Hodgkinリンパ腫(classic Hodgkin lymphoma:cHL)の治療目標は治癒(完治)であり,初回治療として,限局期はABVD(ドキソルビシン,ブレオマイシン,ビンブラスチン,ダカルバジン)×4サイクル+IFRT(involved-field radiation therapy)(ISRT(involved-site radiation therapy))30 Gyが基本であり,予後良好群においてはABVD×2サイクル+IFRT(ISRT)20 Gyが選択肢となる.進行期cHLの初回治療はABVD療法(6もしくは8サイクル)またはブレンツキシマブ ベドチン(brentuximab vedotin:BV)同時併用AVD療法(6サイクル)が推奨される.近年,cHLの病態生理において,PD-1/PD-L1(programmed death-1/programmed death-ligand 1)による抗腫瘍免疫からの回避が重要であることがわかり,抗PD-1抗体を含む治療が開発中である.

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