2024 年 113 巻 10 号 p. 1983-1992
高齢化に伴い増加傾向にある弁膜症の中でも,僧帽弁疾患の評価に心エコー図検査は欠かせない.僧帽弁逆流症(MR)の外科的治療は僧帽弁形成術が主流であり,その成功率を高めるために最新の技術を使用した心エコー評価が重要である.また,近年MRに対するカテーテル治療として経皮的僧帽弁クリップ術(MitraClipTM)が導入され,その術前計測と術中ナビゲーションにも心エコー図検査が用いられている.僧帽弁における心エコー評価の最前線では,3D心エコー・運動負荷心エコー図検査が臨床面と研究面の両方で活用されている.