日本内科学会雑誌
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III.薬物副作用による神経・筋障害
3.薬剤誘発性不随意運動
近藤 智善石口 宏
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2007 年 96 巻 8 号 p. 1621-1626

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抄録
不随意運動は本人が意図しないで,あるいは本人の意図と反して身体の部分になんらかの運動や姿勢(肢位)の異常が生じることをいい,運動の態様によって既知の症候上の用語をあてはめて呼称する.薬剤によって誘発される不随意運動はジスキネジアと一括されるが,具体的な不随意運動のタイプは振戦,ミオクローヌス,舞踏病,チック,ジストニー,アテトーゼ,バリスム,アカシジア(静坐不能),など様々である.診断を考える際にはまず器質性病変をもった疾患を除外する立場が大切であるが,薬剤性不随意運動は様々な薬剤で生じるため,なんらかの薬剤を服用している場合には,薬剤性のものも鑑別に加える必要がある.
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© 2007 一般社団法人 日本内科学会
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