日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
III.鉄過剰
4.鉄過剰と膵障害・糖尿病
岸本 美也子遠藤 久子萩原 將太郎野田 光彦
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 99 巻 6 号 p. 1255-1260

詳細
抄録

ヘモクロマトーシスは鉄が体内の臓器に過剰に蓄積する遺伝性代謝性疾患であるが,サラセミアや,再生不良性貧血,鉄芽球性貧血などの難治性貧血に対する頻回輸血等の二次性要因によっても発症する.ヘモクロマトーシス患者の75~80%に耐糖能障害が起こり,このうち50~60%が顕性糖尿病である.本疾患が進行するとインスリン分泌障害が生ずるが,グルカゴン分泌は保たれており,膵β細胞への選択的鉄沈着がその原因と考えられている.

著者関連情報
© 2010 一般社団法人 日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top