日本内科学会雑誌
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IV.最近の話題
2.鉄と発癌
大竹 孝明生田 克哉高後 裕
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2010 年 99 巻 6 号 p. 1277-1281

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抄録

鉄は生体反応に必須の金属元素であるが,過剰状態では自由鉄分画が増加し活性酸素種産生を介して細胞毒性,DNA損傷ひいては発癌を誘導する.鉄は遺伝性ヘモクロマトーシスだけでなく,C型慢性肝炎の肝癌発生機序にも関与している.これに対し瀉血療法が発癌抑制効果をあげている.さらに鉄はアスベストによる胸膜中皮腫,子宮内膜症による卵巣癌の発症にも関与していることが示唆されてきている.

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© 2010 一般社団法人 日本内科学会
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