日本内科学会雑誌
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卒中發作の臨牀的研究
卒中發作に於ける血糖値特に其臨牀的意義
佐々木 俊文
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1943 年 31 巻 1 号 p. 17-29

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抄録

本論文は新鮮なる卒中五〇例、一一一囘に亙る血糖値の測定成績を基礎とし、之を臨牀像と比較考察し、其意義を闡明ならしむるを主要目的とせるものである。この際余は先づ殆ど腦溢血に於てのみ過血糖が證明せらるゝを以て、血糖値の如何は腦溢血と腦軟化との鑑別診斷に有意義なるを高調した。次いで腦溢血發作後血糖値の推移を追求し、過血糖が一過性の現象なる關係上、本問題を論ずるに當つては常に發作後の時間的經過を考慮せざる可からざるを明かにし、進んで發作に於ける各種主要症状、症状の輕重及經過と血糖値とを比較し、其間夫々或る關係あるを認め、特に過血糖の有無及程度は卒中の豫後判定の上に重要なる指針となることを指摘した。

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