統計的にみて,高血圧患者においては,他の疾患及び健常者に比し,夜尿回数の多い患者が多くみられることを知つた.そこで夜尿回数及び夜尿量を量り,更に夜尿率(夜尿量の一昼夜尿量に対する比)を算出し,これらと血圧,眼底所見及び腎機能との比較検討を行なつた。高血圧患者において,夜尿回数が3回以上ある場合は,夜尿量は700ccをこえるものが多く,夜尿率は50%以上あることをみた.夜尿率と血圧及び眼底所見,並びに腎機能すなわち或る種の腎機能検査成績との間に,おのおのかなり有意の相関関係のあることを知り,夜尿回数及び夜尿量をみることが臨床的に高血圧患者の病態,予後を知る上にかなり有意の指針となると考えられた.