日本内科学会雑誌
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実験的腎性高血圧における圧受容体の関与
山中 羊吾
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1963 年 52 巻 7 号 p. 798-812

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抄録

実験的腎性高血圧における圧受容体のresettingの本態とその成立機序の究明の一助として,頚動脈洞の態度をなるべく単一な条件のもとで観察し,特に頚動脈洞の交感神経性支配の問題をえらび検討した.頚動脈洞分離潅流による実験では,実験的慢性腎性高血圧犬と正常血圧犬とで,一定の頚動脈内圧の変化に対する全身血圧の変化割合は等しい.又おのおのの頚動脈内圧におけるTEAに対する降圧の程度にも,平行関係がみられ,かつ頚動脈内圧と全身血圧とが等しい点では, TEAに対すろ反応の大きさは等しい.頚動脈洞の交感神経性支配については,頚部交感神経切断側の洞部局所外膜下に,少量のnoradrenaline注入した際の全身血圧の下降と頚動脈洞閉鎖反射抑制とから観察し,高血圧犬と正常血圧犬とで同程度の関与のあること認めた,これらから実験的腎性高血圧では圧受容体の感度自体には差異がなく,もとになる血圧レベルが上昇したにすぎないと結論される.

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