日本内科学会雑誌
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各種肝疾患者末梢血単核細胞における抗体産生におよぼすエストロゲンの影響
池本 吉博溝口 靖紘山本 祐夫
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1984 年 73 巻 12 号 p. 1789-1795

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抄録

各種肝疾患患者から末梢血単核細胞を分離し,そのin vitroにおける抗体産生細胞およびDNA合成に性ホルモンがどのような影響を与えるかについて検討した.その結果,各種肝疾患患者の末梢血単核細胞を用いた場合のplaque forming cells (PFC)数およびDNA合成は, 5×10-7mg/mlのエストロゲンをpokeweed mitogen (PWM)と共に添加すると最も強く増幅され,さらに, B型慢性活動性肝炎,肝硬変,肝癌と病態が進展するにつれて,エストロゲンによるPWM刺激時のポリクローナルな抗体産生およびDNA合成の増強の程度が減少することが観察された.以上の結果より,各種肝疾患の免疫応答に性ホルモンが関与すること,および病態の進展により性ホルモンの影響が異なることが認められた.

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