日本内科学会雑誌
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尼崎市における高血圧症のプライマリケアの実態
中牟 田健今村 修槇林 親教合田 満雄勝谷 積治瀬尾 摂
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1986 年 75 巻 7 号 p. 957-963

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抄録

高血圧症のプライマリ・ケアの実態を知る目的で,尼崎市医師会内科医会会員を対象にアンケート調査を行ない以下の結果を得た.患者は加令とともに増加し,各年代とも女性が多かつた.血圧の管理状況をー般内科あるいは循環器科を標傍するものとそれ以外(他科)とで比較すると,他科での管理がやや不十分であつた.降圧薬の選択順位は,第一選択では利尿薬,精神安定薬, β遮断薬で,第二選択ではβ遮断薬, Ca拮抗薬,利尿薬,メチルDOPAで,薬物の使用頻度からみて利尿薬, Ca拮抗薬が重症例の軽症化に寄与している可能性が示唆された.医師の指示や服薬の履行状態からみて医師と患者の信頼関係は良好に保たれていた.後送病院との連携は急を要さない場合は良好であつたが,緊急時には不十分であつた.

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