日本内科学会雑誌
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横行結腸癌の肝転移巣でガス腫瘤像を呈したClostridium septicum感染症の1例
時田 元清水 勝大島 健次郎小林 成禎西川 佳秋高井 哲高橋 善彌太山岡 一清渡辺 邦友上野 一恵
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1988 年 77 巻 12 号 p. 1873-1878

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抄録

意識障害で緊急入院した74才,男性で肝画像診断上特異なガス腫瘤像を呈し,剖検の結果横行結腸癌の肝転移巣にClostridium septicumの感染を認めた1例を報告する.入院時の血液培養で同菌が同定されており,これは本邦で初めてのことである.大腸癌に合併したC. septicum感染症の報告例は欧米では散見されるが本邦では極めてまれである.本症例ではC. septicumの侵入経路として横行結腸癌部が考えられ,経門脈的に肝転移巣に達したと推察されたので,若干の文献的考察を加えて報告する.

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