日本内科学会雑誌
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心臓透視による虚血性心筋疾患と拡張型心筋症の鑑別法
冠状動脈石灰化に注目して
山中 修
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1989 年 78 巻 7 号 p. 899-904

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抄録

断層心エコー図にて拡張型心筋症(DCM)様病態を示す78例を冠状動脈造影,心筋生検所見等から虚血性心疾患(IMD)27例とDCM22例を含む非虚血性心疾患51例に分類,両者における心臓透視下での冠状動脈石灰化重症度(スコア)について比較検討した.結果はIMD 15.7±8.8, DCM 0.22±0.51, N-IMD 0.58±1.52とIMDで有意にスコアが高かった. IMDのスクリーニングとしてはスコア6以上,確定診断的には10以上が適切な基準値である.本法は観血的検査が不可能な症例にも容易で信頼性の高い鑑別診断法となりうる.

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