1991 年 80 巻 8 号 p. 1252-1255
ブドウ糖の細胞への取り込み過程はglucose transporter (ブドウ糖輸送担体)と呼ばれる細胞膜に存在するタンパクが介在している.この遺伝子が次々とクローニングされた結果,構造の類似したサブタイプから成り,一つのファミリーを形成していることが明らかとなった.遺伝子工学の手法を用いた解析から,われわれは,糖輸送担体は細胞膜の外側と内側にゲートを持つ一種のグルコースの通路であり,外側と内側のゲートが交互に開閉して選択的なグルコースの通過を制御していると考えている,今後,異常糖輸送担体による糖代謝異常も発見されると期待される.