日本内科学会雑誌
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5.腎梗塞
槇野 博史長宅 芳男
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1993 年 82 巻 11 号 p. 1802-1806

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抄録

腎梗塞とは,腎動脈の本幹またはその分枝が塞栓や血栓により閉塞し,その末梢の循環障害が起こり腎組織が壊死に陥った状態である.全く症状を欠くことも少なくないが,両側の急性の腎梗塞の場合には急性腎不全を呈する.心房細動と心弁膜症は重要な基礎疾患である.本症は決してまれな疾患ではないので,激烈な側腹部痛や腰痛で発症し,筋逸脱酵素の上昇を伴い急性腎不全を呈する時には,本症を念頭におき, CT,血管造影などの諸検査を行い,より早期に診断し治療を開始することが肝要である.

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