日本内科学会雑誌
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4. B型肝炎ウイルス感染症と肝細胞癌
小池 和彦
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1995 年 84 巻 12 号 p. 1980-1984

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抄録

ヒトにおける発癌は多段階を経て完成する.言い換えれば, geneticあるいはepigeneticな事象の蓄積によって細胞の形質転換,免疫系からの逃避,血管新生などが達成されていく. B型肝炎ウイルス(HBV)感染において, HBVは肝炎を惹起するだけでなく腫瘍原性をもち,多段階発癌の一段階を担うことが示されてきている. HBVによる肝発癌の機構は,ヒトにおけるウイルス発癌のひとつのモデルとなると思われる.

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