1997 年 86 巻 10 号 p. 1961-1963
症例65歳,男性. C型慢性活動性肝炎に対しインターフェロン(IFN)治療を行い,肝機能は正常化し, HCV-RNAも陰性が持続し,著効例と考えられた.経過中AFP, PIVKA-IIの測定,腹部超音波, CT検査を定期的に施行していた.治療約3年後に腹部超音波にて肝S4領域に径約2cmのiso~hypoechoicな腫瘤を認めた.肝細胞癌の診断にて肝動脈塞栓術(TAE)を行い,以後経過良好である. IFN治療の著効例であっても,発癌の可能性があることを念頭におき経過観察することが重要と考えられた.