日本内科学会雑誌
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AIDS治療の最前線
木村 哲
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1997 年 86 巻 10 号 p. 1972-1977

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抄録

アメリカでは従来からのzidovudine (ZDV), didanosine (ddI), zalcitabine (ddC), stavudine (d4T)といった逆転写酵素阻害薬(RTI)に加え, 1995年11月以来7種類の抗HIV薬が承認された.それらはRTIのlamivudine (3TC), nevirapine, delavirdine,プロテアーゼ阻害薬のsaquinavir, ritonavir, indinavir, neifinavirである.その結果,多剤併用療法が可能となり,治療成績が著しく向上し, AIDS死がAIDS史始まって以来,初めて減少して来た.
日本では抗HIV薬の承認が著しく遅れていたが,昨年から治験,審査が要約促進され,少しずつ欧米のレベルに追いついて来た.今後は日本でも血中HIV-RNA量を見つつ,併用療法主体でなるべく早い時期から治療を行って行くべきと思われる.

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