1999 年 88 巻 4 号 p. 620-625
原発性胆汁性肝硬変は肝移植が唯一の根本的治療であるが,肝移植の適応となる肝疾患の中で,代謝性肝疾患に次いで移植後の生存率が高い.我が国においても, 1993年以降,原発性胆汁性肝硬変に対する生体部分肝移植の症例数は急増している.肝移植にあたっては,新Mayoモデルや日本肝移植適応研究会モデルなどの予後予測法を参考にして,適切な時期を失しないことが重要である. T. B.が5.0mg/dlを越えたならば,肝移植の準備を進めながら経過観察をすることが望ましい.