日本内科学会雑誌
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2.自己免疫性膵炎
神澤 輝実
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2004 年 93 巻 1 号 p. 90-95

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抄録
自己免疫性膵炎は,発症に自己免疫の機序が関与する膵炎で近年注目されている.膵の腫大と膵管狭細像があり,血液検査で高ガンマグロブリン血症,高IgG血症,自己抗体のいずれかを認めるか,病理組織学的に膵にリンパ球と形質細胞を主とする細胞浸潤と線維化を認めた場合,本症と診断される.高齢の男性に好発し,膵癌との鑑別が肝要である.閉塞性黄痙で発症する例が多く,膵炎発作を呈することは稀である.ステロイド治療が奏功し,予後は比較的良好である.
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