日本内科学会雑誌
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IgE産生の分子調節機構
柳原 行義
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2004 年 93 巻 12 号 p. 2649-2655

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抄録

B細胞が抗原を認識してIgE抗体産生細胞に分化する過程には, IgMからIgEへのクラススイッチ組換えが関与している. IgEクラススイッチの方向性はTh2サイトカインのIL-4やIL-13によって決定され,またクラススイッチ組換えは共刺激分子のCD40リガンド(CD40L), Blymphocyte stimulator (BLyS)またはa proliferation-inducing ligand (APRIL)によって誘導される. CD40LはT細胞依存性抗原を認識するTh2細胞に発現されるのに対して, BLySとAPRILは樹状細胞に発現されるので, IL-4やIL-13の存在下ではT細胞非依存性抗原に対してもIgEクラススイッチは誘導される.また,共刺激分子はIgEクラススイッチに際して切断されたDNAの修復分子の活性化にも関与している.最終的には,修復されたDNAは再結合し, IgEクラススイッチが完結する.

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