2023 年 15 巻 p. 2-10
目的:大腿骨近位部骨折患者において超音波画像診断装置を用いて大腿四頭筋各筋の筋厚および筋輝度の経時的変化を明らかにすること。
方法:大腿骨近位部骨折患者47名を対象に,術後1,2,3,4週目と退院時に超音波画像診断装置を用いて大腿四頭筋各筋の筋厚および筋輝度を測定した。
結果:大腿四頭筋各筋の筋厚は,健側と患側ともに有意な経時的変化を認めなかった。筋輝度は,健側では大腿直筋の3週目,外側広筋の4週目と退院時,患側では大腿直筋と外側広筋の退院時で1週目よりも有意に低値を示した。
結論:大腿骨近位部骨折患者の筋厚は,すべての大腿四頭筋で入院期間中に変化しなかったが,筋輝度は健側と患側ともに大腿直筋と外側広筋において術後早期から退院時にかけて改善することが明らかとなった。