抄録
近年,超高層建物に免震構造が多く採用されているが,そうした建物の風応答に関する研究例は少ない.そこで筆者らは2棟連結型の超高層免震建物(J2-3棟)の風応答記録を基に実挙動の分析を行っている.対象建物は2期に分かれて建設され、先に竣工した扁平な平面を有するJ2棟と,後に竣工したJ3棟から成り,2つの建物が連結されたことで建物形状は複雑化した.J2棟単体時の風応答記録は既に報告されたが,連結後の応答に関する研究はこれまで行われていない.本研究は建物の連結や形状変化が風応答挙動に及ぼす影響について解明することを目的とし,本報では初期段階として,連結後の台風時における応答を詳細に分析した結果を報告する.