抄録
本稿は、川幅145mの一級河川や国道と交差する最大支間長144mの鋼4径間連続鋼床版箱桁橋の耐風安定性について述べている。本橋は、台風の頻度が高い地域に架橋され、たわみ易く、さらに、幅員Bと有効高dの比はB/d=2.67程度と渦励振とギャロッピングの発生が懸念された。このため風洞試験を実施し、これらの空力弾性振動に対する耐風対策を検討した。バネ支持試験の結果より、耐風対策無しでは渦励振およびギャロッピングが発生し、これらを抑制するために水平プレートとダブルフラップが必要となった。しかし、水平プレートのみでも構造安全性は確保できるため、経済性に配慮し、ダブルフラップは実橋で使用性に問題がある振動が生じた場合に追加する方針とした。