抄録
洋上を含む日本域における時別風向変動量を解析し、その空間分布を検討した。通年平均の空間分布では、陸域の風向変動量が周辺海域よりも大きく、洋上における風向変動量は離岸するほど小さくなっていた。冬(1月)の風向変動量は、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)付近と局地不連続線付近で大きかった。夏(7月)の風向変動量は、日本海よりも太平洋側の風向変動量が小さかった。日本沿岸域では一時的にその変動量が大きくなる時間帯があり、海陸風の交替に起因すると考えられる。これらのことから、日本域における時別風向変動量は季節変化と日変化があり、主に地域的な気候条件の影響を受けていることが示唆された。