年報政治学
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〔特集〕 政党研究のフロンティア
政党の選挙戦略と党内の資源配分
―内閣総理大臣による選挙期間中の候補者訪問―
藤村 直史
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2016 年 67 巻 2 号 p. 2_99-2_119

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抄録

政党は, 政治資金, 政府・議会・党の役職, 選挙区への利益誘導など, 所属議員の当選に資する複数の資源をもっている。本稿は, 政党資源として, 党首の選挙期間中の候補者訪問に焦点を当て, 政党執行部が党の議席を増加させるために, どのように党内の資源を所属議員に配分するのかを検討する。日本の参議院議員選挙における内閣総理大臣の候補者訪問の分析から, 政党執行部は, 制度や文脈に応じて議席を増大させられるように資源を配分していることを明らかにする。より具体的には, 政党執行部は, 政党投票に依存している候補者や, 当落線上にある候補者に対して, より頻繁に総理大臣を訪問させていることを示す。本稿の知見は, 制度や文脈のもとで, 政党が合理的な選挙戦略を採用し, かつ総理大臣の人気が所属候補者を当選に導く重要な資源であることを提示する。

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© 2016 日本政治学会
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