抄録
ブルーギル(Lepomis macrochirus)ビテロジェニン遺伝子転写解析をキセノエストロジェン検出のバイオマーカーとして評価した。ブルーギルより,他の魚種由来のビテロジェニンAb遺伝子に高いホモロジーを有する部分塩基配列を取得した。オスのブルーギルへの17β-エストラジオール腹腔内投与の結果,体重1gあたり0.5ngの投与量以上で,肝臓におけるビテロジェニン遺伝子の転写が確認された。一方,血漿中の17β-エストラジオール濃度は,17β-エストラジオール未投与の個体群と比較して,体重1gあたり500ngの投与量以上で,優位な差が確認された。これらの結果は,ブルーギルのビテロジェニン遺伝子の転写がキセノエストロジェン汚染のモニタリングに有効であることを示唆するものである.