自然環境科学研究
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東京都多摩地域府中市を流れる本宿用水で確認されたマルタニシ Cipangopaludina chinensis laeta(軟体動物門:タニシ科)の記録
西田 一也皆川 明子
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2022 年 35 巻 p. 23-27

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抄録
マルタニシCipangopaludina chinensis laeta (Martens, 1861) は主に水田地帯や湿地に生息する巻貝類であるが,この生息環境は圃場整備や宅地造成等により減少,消失してきた.そのため,本亜種は環境省レッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類,東京都レッドデータブックでは絶滅危惧Ⅰ類(本土部全体)に該当する亜種として記載されている.東京都多摩地域では過去およそ 30 年にわたり本亜種の確実な生息報告がなく,東京都レッドデータブックにおいて情報不足種(DD)とされている.筆者らは 2013 年と 2014年の 8 月に,多摩地域の本宿用水により灌漑される未整備の水田地帯を流れる素掘りの水路において本亜種を発見した.多摩地域の水田地帯は宅地化の進行により今後も減少していくことが予想されるため,本亜種の生息場が失われる可能性がある.したがって,本亜種の分布実態および遺伝的特徴を明らかにし,その情報を元に保全計画を検討する必要がある.
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© 2022 公益財団法人平岡環境科学研究所

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