日本補綴歯科学会誌
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原著論文
回転切削機器による技工操作時における局所振動伝搬の加速度計による評価
林 頼雄小林 博
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2013 年 5 巻 1 号 p. 47-55

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抄録
目的:歯科技工の作業時における回転切削機器の振動が,手や腕に負担を蓄積させていると考え,加速度計を用いて振動の衝撃度や伝搬特性を明らかにすることにより,健康被害の低減に寄与することを目的とした.
方法:被験者は,歯科技工士で手や指に異常のない健常者16名(男12名,女4名,平均年齢は57.1歳)とした.2軸加速度センサーを2個用い,ハンドピースと母指に装着した.作業項目は,書き写し,プラスチック切削,石膏切削,の3種類とした.切削工具の回転数は毎分4万回転とし,刃先はカーバイドバーを用いた.分析には二次元加速度ベクトルの絶対値を用いた.
結果:平均加速度は,書き写し0.068 G,プラスチック切削0.087 G,石膏切削0.089 G であり,石膏切削時に大きかったが統計的有意差は認められなかった.振動の伝搬は,振動の吸収状態により推定した.書き写しで,-0.009 G,プラスチック切削0.001 G,石膏切削0.006 G と違いがみられたが,有意差は認められなかった.
結論:8 Hz 以下の低周波領域では,吸収が少なかったことから,振動が吸収されず手指へよく伝わることが明らかとなった.また,重量比を考えると技工作業は,書き写しの23倍程度の衝撃があることが判明した.さらに,切削作業時の振動の低周波領域は個人差が大きかった.
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© 2013 社団法人日本補綴歯科学会
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