熱処理
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学術論文
高Cr鋼の焼入─分配処理におけるCrの役割
戸畑 潤也江頭 努土山 聡宏高木 節雄
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2015 年 55 巻 3 号 p. 181-188

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抄録
3〜12mass%の範囲で異なる量のCrを含有する低炭素鋼に対して焼入─分配(Q&P)処理が施され,未変態オーステナイトの分解と安定化の挙動に対するCr量の影響が調査された。最適なQ&P処理条件下では,Cr量の増加によってベイナイト変態ならびに炭化物析出の遅延が生じ,その結果,より高Crの鋼ほどより多くのオーステナイトを残留させることが可能となった。そして,マルテンサイト系ステンレス鋼はQ&P処理による機械的性質の改善を図るには,本質的に適した性質を有していることが示唆された。
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© 2015 一般社団法人日本熱処理技術協会
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