ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
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1,8- ジアザビシクロ[5.4.0]-7- ウンデセン(DBU)類による エポキシ樹脂の硬化反応挙動
長山 真太郎松本 幸三遠藤 剛
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2019 年 40 巻 2 号 p. 63-69

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抄録

6 位に種々のアルキル基が置換したDBU(Alkyl DBU)の合成を行うとともに,ビスフェノールA 型ジグリシジルエーテル(DGEBA)との硬化挙動の検討を行い,エポキシ樹脂硬化剤としての性能を評価した。示差走査熱量測定(DSC)を用いて考察したところ,無置換のDBU を用いた硬化系は55 ℃と100 ℃に小さな発熱のピークが観測されたのに対して,Alkyl DBU を用いた系では125 ℃に小さな発熱ピークと200 ℃に大きな発熱ピークが見られた。硬化物の作製を行ったところ,いずれも不溶性であり透明な硬い硬化物が得られた。さらに特性を評価したところ,Alkyl DBU 類は,DBU を用いた場合と比較してゲル分率が高く,収縮率,耐熱性が優れた硬化物が得られた。これらの結果から,Alkyl DBU 類を用いた硬化系では,熱潜在性と高活性を併せ持つ硬化剤として期待できる。

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© 2019 合成樹脂工業協会
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