討論会講演要旨
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14. オルゼン型フローテスターによる石炭酸系樹脂の流れに就いて
吉野 俊太郎英 一太
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1955 年 5 巻 p. 23

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抄録

ノボラックの合成に当ってフェノールとフォルムアルデヒドのモル比の変化によって生成するノボラックの性質が相違することは種々の実験報告によっても明らかでノボラック製造に当ってモル比が重要な要因となり生成するノボラック或はこれにより作られた成型粉の性質を左右するものと考へられる。又Jones等の研究によればF/Pのモル比の相違によりノボラックの平均分子量が変化して其の熔融粘度もモル比の上昇と共に増加することを指摘している。此等の事実より二段法によって成型粉を製造する際にモル比の相違により成型粉の流れ及び硬化速度も当然変化するものと思はれるので此の点を明らかにするため実験を行った。
フェノールとフォルムアルデヒドのモル比を0.75, 0.80, 0.86の三段階でそれぞれ蓚酸を觸媒としてノボラックを合成し, 得られたノボラックを水蒸気蒸溜によって遊離フェノール及びフォルムアルデヒドを除去したものを試料とした。これに10%のヘキサメチレンテトラミンをメタノール溶液中にて加へ測定中の発泡の影響を防止するため約30%の無水珪酸微粉末と温和して常温にて乾燥したものを測定用試料としてオルゼン型フローテスターによって流れ及び硬化時間を測定した結果に就いて報告する。

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