熱硬化性樹脂
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N-フェニルマレイミドとアリル化合物との反応に及ぼす触媒の影響
榎 尚史大久保 光石井 敬一郎柴原 澄夫
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1991 年 12 巻 1 号 p. 9-18

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抄録
アリル変性マレイミド樹脂の硬化反応に及ぼす触媒の影響について, モデル反応を用いて検討した。モデル物質として, N-フェニルマレイミド (PMI), ο-アリルフェノール (AP), アリルフェニルエーテル (APE), 安息香酸アリル (AB) を選び, PMI/AP, PMI/APE, PMI/AB系の反応を行った。
無触媒では, PMI/AP系は, PMI : APの1 : 1付加物及び3 : 1付加物が生成し, PMI/APE, PMI/AB系はポリマーが生成した。
ラジカル触媒 (ジクミルパーオキシド) では, PMI/AP系は, PMI : APの1 : 1付加物, 3 : 1付加物とポリマーが生成し, その他の系は無触媒と同様であった。
アニオン触媒 (2-エチル-4-メチルーイミダゾール, トリフェニルポスフィン) では, いずれの系もPMIのオリゴマーが生成し, アリル化合物はほとんど反応しなかった。
これらの結果に基づいて, マレイミド基とアリル基の触媒による官能性を考察した。
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