熱硬化性樹脂
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固体高分解能13C-NMRによる硬化反応の研究 (第3報)
ビスマレイミド/エポキシ樹脂混合系の硬化反応と構造
柴原 澄夫山本 隆久巽谷 進三木 恭輔
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1992 年 13 巻 3 号 p. 156-165

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抄録
ビスマレイミド (BMI) /エポキシ樹脂 (EP) 混合系について, 固体高分解能13C-NMR (CP/MAS法), 動的粘弾性, およびDSCを用いて, 硬化反応機構と相溶性に関する検討を行った。硬化剤としてジアミノジフェニルメタン (DDM) を使用したBMI/DDM/EP系の硬化反応は, 170℃でエポキシ基とアミノ基との付加反応が主に起こり, 250℃ではマレイミドの重合反応が進行する。この系の硬化物は, マレイミド成分とエポキシ成分とが相溶状態にあると推定された。一方, 硬化剤として2-メチルイミダゾール (2MZ) を使用したBMI/EP/2MZ系の硬化反応は, 170℃でマレイミドの重合反応が急速に進行し, 250℃ではエポキシ基の重合も進行する。この系の硬化物は相溶状態が悪いと推定された。DDMと2MZの両方を使用したBMI/DDM/EP/2MZ系の硬化反応は, 170℃でマレイミドの重合反応が急速に進行し, この温度でエポキシ基とアミノ基との付加反応も進行する。この系の硬化物は, BMI/DDM/EP系とBMI/EP/2MZ系の中間的な相溶状態と推定された。
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