抄録
粒子充てんエポキシ樹脂の耐熱衝撃性におよぼすセラミック粒子の効果について検討した。用いたセラミック粒子は, 窒化珪素, 窒化アルミニウム, および水酸化アルミニウムなどで, 熱衝撃試験結果について破壊力学的評価を行い, 破面観察によるき裂進展挙動を考察した。
これらの耐熱衝撃性は, 窒化珪素と炭化珪素等の硬い粒子を充てんした樹脂が高く, 高熱伝導率をめざした窒化アルミニウム充てん樹脂は上がらず, また破壊しやすい水酸化アルミニウムではむしろ低下した。
破壊力学的評価については, 破壊靭性試験と熱衝撃時の破面形態が異なるものは, 計算から求めた無次元応力拡大係数と実験から得られたき裂進展の限界は一致しない。したがって, 粒子充てんエポキシ樹脂の耐熱衝撃性の評価には, 破壊靭性値を求めるときと熱衝撃時において同じ破面形態を示すこと, すなわち破壊機構が一致していることが必要である。