抄録
シアネート化合物としてビス (3, 5-ジメチル-4-シアネートフェニル) メタン (MC) を, マレイミド化合物として2, 2-ビス [4- (4-マレイミドフェノキシ) フェニル] プロパン (MI) を選び, MI/MC系の反応及びその硬化物特性について検討した。
シアネート基とマレイミド基の反応性は近いが, シアネート基は3量化によりトリアジン環を生成し, マレイミド基は重合反応により別々に反応する。IR, 13C NMRよりシアネート基とマレイミド基との付加反応は認められなかった。
粘弾性曲線よりtanδピークが1本であることからMI/MC系は相溶系であり相互侵入網目 (IPN) になっていると考えられる。マレイミド成分が増加することによってTg, 熱時強度が高くなり, 比重, 吸水率が大きくなり, ε, tanδがわずかに大きくなった。