熱硬化性樹脂
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フェノール樹脂廃棄物の加熱処理により得られた分解液のエポキシ化に関する研究
島村 哲朗寒川 喜光北川 和男中野 達明佐藤 昌利
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1995 年 16 巻 4 号 p. 183-189

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抄録
フェノール樹脂廃棄物を窒素雰囲気下, 600℃で2時間加熱処理し, 低沸点分を分別して得られた分解液を用いてエポキシ化合物の合成を行い, その硬化物の物性について検討を行った。分解液の収率は約10~20 wt%であり, ノボラック型である木粉・フェノール樹脂廃棄物の分解液の主成分はフェノールおよびメチルフェノール誘導体であった。レゾール型である紙・フェノール樹脂廃棄物の分解液には, それら以外にカルボニル化合物を含む高分子量化合物の存在が認められた。分解液のエポキシ化物は単官能であるため, 汎用液状エポキシ樹脂にブレンドした樹脂の硬化物について動的粘弾性および接着強度の測定を行った。分解液をエポキシ化することにより, その硬化物は分解液をそのまま混合した樹脂の硬化物より高い高温弾性率, Tgを示した。また, ブレンド樹脂でのエポキシ化物の配合量を増やすと, 硬化物の網目鎖の運動性が増加するため, 高温弾性率, Tgは低下した。さらに, ブレンド樹脂の硬化物は汎用液状エポキシ樹脂硬化物より高い接着性を示した。
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