抄録
p-t-ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂 (BPR) 中に副生する環状オリゴマーを1H NMRスペクトルデータ, 13C NMRスペクトルデータおよびマススペクトルデータを用いて分析した。その結果レゾール形BPRのトルエン溶液中で析出する白色結晶性物質は, ジメチレンエーテル結合1個とメチレン結合3個を有する環状4核体オリゴマーであることがわかった。さらに2, 6-ジヒドロキシメチル-p-t-ブチルフェノールを無触媒下で縮合させて得られるBPRのn-ヘキサン可溶分には, ジメチレンエーテル結合3個だけからなる環状3核体オリゴマーが含まれていることを確認した。
線状オリゴマーと環状オリゴマーの識別には, 1H NMRスペクトルや13C NMRスペクトルが有力な知見を与えることがわかった。さらにメチレン結合を主体としたオリゴマーの質量スペクトルには, 分子イオンピークが明瞭なために, 微量試料の分析に有力な手法となることがわかった。