1982 年 3 巻 4 号 p. 204-216
まづフェノールとヘキサメチレンテトラミン (ヘキサ) の反応に関するK. HultzschのXIV報 (1949年) とA. Zinke学派の10報にわたる論文 (1947-1952年) を, 実験を主として紹介し, 次いでヘキサとフェノール類の分子化合物に関する論文をまとめた。また我国では1929年以来, 大阪市立工業研究所グループでフェノール (狭義) ・ヘキサ反応の中間体としての含窒素化合物の研究が強力に進められているが, その中から井本英二の “中間体触媒論” (1949年) と高橋秋水の “中間体の融点に関する提言” (1965年) ならびにその周辺の研究を終章にまとめてみた。